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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第104章 終って※




「以前は水族館だったな?」
「・・・?」

何が、と小首を傾げたが、その瞬間に何の事かを察するように思い出した。

以前、二人で出掛けた場所。
そこが水族館だった。

・・・今、そんな事をわざわざ言うということは。

つまり、今出掛けているこれは。

「デ、デート?」

まさかそんなはずがないと思っていた。
そんな事ができる状況でもないと思っていたから。

「ああ」

だから彼のその短い返事には、思わず目を見開き丸くした。

「大丈夫・・・なの」

聞いた所で私はどうしようもないけれど。
でも聞かずにはいられなくて。

「心配無い。僕がいる」

根拠は無くても、彼のその力強い一言は私を納得させるには十分で。

・・・彼が言うのなら、大丈夫だ。

多少の不安が拭えないのは仕方がないとしても、今は彼と出掛けられる喜びだけを感じる事にした。

「それと、今日はこれをきちんと付けていてくれないか」

赤信号で車が止まると、彼は私の首筋に指を這わせ、そこからぶら下がるチェーンを引いてみせた。

それに繋がっていた指輪が服の内側から顔を出すと、心臓が一度大きく跳ねて。

「気に入っていないのか?」
「そ、そんな事ない・・・っ!」

零だって付けていないのに。
・・・そう反論しようとして彼の薬指に目をやった時。

いつの間にかそこには、キラリと光るものがはめられていて。

本当に、いつの間に付けたのか。

「な、無くしたら嫌だから・・・」

付けていれば無くしはしないのかもしれないが。
それでもまだ、ポアロには付けていく勇気もない。

そのせいで、首から下げている事の方が多くなってしまっていた。

「でも今日は付けていてくれ」

彼はチェーンのフックを素早く外すと、そこから指輪を取り外して。

「僕の妻として、傍を歩いてくれないか」

私の左手を取ると、スっとその指輪を薬指にはめ込んだ。




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