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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第2章 就職先





目を覚ますと時計の針は朝の七時を回っていた。やばい、初日からやらかしてしまうところだった。
昨日はどうやらあのまま寝てしまったらしい。小さなパーツがそこらじゅうに出しっぱなしになっている。

とりあえず先にシャワーを浴び、片付けは後にした。
クローゼットから最後にいつ着たか分からないスーツを取り出し袖を通す。
スッピンを隠す程度のメイクをして髪を縛り、兄との写真の前へ立つ。

「・・・いってきます」

泣きたくなる衝動を抑えて安室さんの事務所へと向かった。
地図を見ながら近くまで向かう。徒歩10分程度が大変ありがたい。

「・・・この辺りだよね」

キョロキョロと周りを見回していると、最近聞きなれた声で呼ばれた。

「如月さん」
「安室さん!」

安室さんは私が来た方向とは反対側から姿を表した。

「早いですね、また寝ぼけちゃいました?」
「初日なので遅刻しないようにですよ」

くすくすと笑われながら、こっちです。と案内される。
少し大通りからは外れた奥まった場所の廃れた商店街のような場所。昔は栄えていたのかもしれないが、今では殆どが空き店舗だ。

「ここの建物を借りています」

安室さんの視線を追うと昔何かに使っていたであろう店舗。見えている面は看板どころかドア1つで窓もなく、外からは中の様子が全く伺えない。
毛利探偵事務所を想像していた私は少し驚いた。

「資料を置くためだけの形の事務所なので」

何も言っていないのに。私の言いたいことが分かっているように、安室さんが話した。
鍵を開け、中の電気をつける。ぱっと見た感じは一般的な事務室、といった印象だ。壁沿いにアルミの本棚が数個と端の方にはデスクと椅子。
部屋の真ん中には毛利探偵事務所と同じようなテーブルとソファーが置かれていた。

「ここに資料が溜まってしまっていて。如月さんのペースで構いませんので、まとめていただけますか?」

安室さんは鍵付きのデスクの引き出しを解錠し紙の束を取り出した。それをいくつか積み上げる。なるほど、やりがいがありそうだ。

「わかりました、任せてください」

パソコンや資料、全てしまってあるものには鍵をつけているようだった。確かに個人情報などもあるだろう。そうなるとこの部屋はある意味保管に向いている場所なのかもしれない。




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