第104章 終って※
「ひなた」
私の名前を呼んで、彼は指の動きを止めた。
「・・・っは・・・、あ・・・」
何故、どうして、という戸惑いは勿論あったけれど。
すぐにこの答えは見つかる事となった。
「おいで」
そう言った零は、ゆっくり背中をベッドの方に倒して両手をこちらに差し出した。
まるで、その手に私の手を重ねろとでも言うような手の差し出し方。
言葉だけでは彼の胸に飛び込んでおいでとも聞こえるが、実際はそうではなくて。
「もう、恥ずかしさなんてないだろ」
自分で入れて動いてごらん、という意味で。
理性を壊せば、羞恥も同じように壊れていく。
彼はそれを狙ったのだろう。
「・・・・・・ッ」
多少の羞恥は残っている。
けれど、絶頂寸前で止められた体が平気な訳もなくて。
彼の作戦は限りなく成功だと言えた。
吸い込まれるように一旦片手だけを重ねると、腰を浮かし体を動かした。
新しい避妊具に付け替えられている辺り、彼にある種の憎らしさを感じてしまう。
こういう所までいつもスマートなのだな、と。
その彼のモノに手を伸ばし、自分の秘部へとあてがうようにすると、気持ちに反して体はまだかまだかと急かしていて。
思考がバグっているようだと感じながら息を吐くと、ズプッと彼のモノをゆっくり受け入れた。
「ッ、ン・・・!!」
ついさっきまで入っていたのだから。
簡単に受け入れてもおかしくないはずなのに。
何故か腰が下まで降りきらない。
「・・・っふ・・・あぁ・・・!」
指を絡めるように手を握られると、手から犯されているような感覚を覚えた。
意外と骨ばった手は、彼が男なのだときちんと伝えてくるようで。
「零・・・っ」
酷い顔だろうな。
でもそれを気にする余裕なんてない。
自分で言った通り、彼に言われた通り、ゆっくりと確実に。
ズプズプと彼のモノを飲み込んでいくと同時に、手の力は互いに強くなっていった。