第104章 終って※

「いっ、ぁ･･･あァ･･･！」

苦しい。
埋め尽くされていく感覚が、酷く背徳的だ。

禁忌にでも手を染めているような。

そんな感覚。

「･･･っ、は･･･」

彼の表情も、比例して歪んでいく。

汗ばむ顔に綺麗な金色の髪が張り付いていて。
褐色の肌に、その色がとてもよく映える。

「ンんっ、･･･っひ･･･ぅ･･･ッ」

体をグッと降ろしきると、ぬぷッと音を立てて彼のモノを飲み込んだ。

何も食べてはいないのにお腹がいっぱいで。

満たされていることに、間違いは無かった。

「･･･ひなた」

ここからだと、彼の顔がよく見える。
逆に言えば、彼からも私がよく見えているということで。

でもここまでくれば彼の作戦通り、羞恥は限りなくゼロになっていた。

「ひゃ、ぅ･･･っあぁ･･･！」

腰を浮かせるだけでも精一杯なのに。
それをまた飲み込むなんて。

その度快楽は大きくなり、力も無くなっていく。

それでも体は快楽を求めて貪欲に体を動かす。

快楽は脳内麻薬だというのをどこかで聞いた事があるが、まさにその通りだと思う。

その感覚を、無意識に追い掛けている。

無論、零以外からのそれは要らないけれど。

「っ･･･く･･･」

拙い動き。
そこから彼は目を離さず、舐め回すように私を見つめた。

絡めていた手はいつの間にか解かれ、彼の手は私の腰へ、私の手はその彼の手を掴んでいた。

「･･･よく、その体で受け止めたな･･･」
「んぅ･･･っ、なに、を･･･っ」

腰の動きを止めないよう、彼の手が誘導させる。
そんな中、彼が呟いた言葉に追求をして。

「いや･･･何でもない、さ･･･っ」

苦しそうな声。
そんな声で彼は、私の追求をはぐらかした。

一体、何の事だったのだろう。

でもそれが気になったのもその瞬間だけで。

数秒後には彼が痺れを切らしたように突き上げた一撃で、忘れ去られてしまった。