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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第103章 これで※




「おいで」

・・・頭がボーッとする。
胸がチクチクと痛む中、彼に引き寄せられるように、ピタリと体をくっ付けて。

胸の中に顔を埋めると、彼は優しく抱きしめた。

「ひなたが素直になるまで、このままだ」

・・・それだと、一生このままのような気もしてしまうが。

そう思いながら、彼の体温を感じては瞼が酷く重たくなって。

「・・・・・・」

安心感。
紛れも無いそれで包まれている。

さっきまでの不安や怒りは、波が引いていく。

不思議な、感覚だ。


ーーー


「・・・・・・!」

体が反射的に動いた。

大きくビクッと跳ねさせると同時に、いつの間にか倒れていた体は飛び起きて。

眠りから、今、覚めた。

・・・いつ。
いつ眠ったのか。

そもそも何故、零のセーフハウスのベッドで寝ているのか。

確か工藤邸で、沖矢さんとお酒を飲んでいたはずだったけど。

「・・・・・・」

その先が、思い出せない。

状況を確認するように辺りを見回すが、部屋は薄暗く、人の影は無い。

当然、ベッドの隣にも・・・誰もいない。

・・・一人で、酔って来てしまったのだろうか。

「・・・ひなた?」
「!!」

なんて。
あるはずがない。

「起きたのか」

突然顔を出した彼は、下だけジャージを身に付け、首にかけたタオルで濡れた髪の水分を取りながら近付いてきて。

・・・できれば、上の服も身に付けてほしい所だけど。

「う・・・うん・・・」

とりあえず、状況説明が欲しい。

そう目で訴えれば、彼は数秒間、静かに私を見つめた。

「酔いは覚めたか?」

・・・やっぱり、酔っていたのか。
今まで、記憶を無くすなんて事はなかったけれど。

それ程までに飲んでしまっていたなんて。

「・・・私、勝手にここに来た・・・?」

沖矢さんと居た以上、そんな事はないと分かってはいても、まずそれを確かめずにはいられなかった。

「・・・まさか」

僕が連れて帰ったさ、とクスクス笑いを漏らしながら、彼はベッドへと腰掛けた。




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