第101章 知って※
「ン、っく・・・んぅ・・・ッ」
・・・不思議だ。
こうして彼とキスをして抱き合っている。
それがとても、不思議で。
「・・・ッ、あ・・・ぅ・・・あぁっ」
何故、今そう思ったのかは分からない。
でも今それをとても強く実感した。
「・・・ッ」
突き上げる度、彼の息も上がって。
眉間に寄る皺も深くなって。
でも彼は、私から絶対に目を離さなかった。
酷く恥ずかしいけれど、同時に安心感もある。
そんな中、彼の突き上げる強さが増した時、堕ちる前兆を感じた。
「い、く・・・、れい・・・っ!」
流石に瞼を上げていられなくて。
固く閉ざしてしまうのを半ば誤魔化すように、もう一度彼を引き寄せ抱きついた。
自然と力が込められ、彼の体に指が食い込む。
ナカで彼を強く締め付けているのも分かる。
けどもう、何も制御できなくて。
・・・あの、感覚で。
「ン、あァ・・・っやあぁぁ・・・ッ!!」
ただ深く、深く。
背を反らし、甲高い声を部屋に響かせ、快楽の沼に堕ちていくだけ。
動きから察するに、彼も私のナカで果てたようで。
達したせいで体がだるく、ぐったりとベッドに全身を預けると、彼がそれを見てはフッと笑った。
「・・・疲れたか?」
普段はそんな事聞かないのに。
珍しいなと思いながら、少しの沈黙を作って。
「ちょっと・・・」
重たい口をゆっくり動かしては、そう答えた。
本当は、今すぐ寝てしまいそうなくらい疲れている。
瞼も体もこの上なく重たく、言うことを聞かない。
でもまだ彼と、くっ付いていたい。
彼と触れ合っていたい、体温や鼓動や、呼吸を感じたい。
私の目の前に存在している、生きているのだと実感したい。
・・・という欲望が出てくるのは、やはり異常だろうか。
「本当に嘘が下手だな」
そう言って頬に触れた彼の手は、いつもの様に冷たくて。
「僕は本音が聞きたいだけだ」
額に触れた唇は、温かかった。