第101章 知って※
「ひぅ・・・っ、あ・・・!」
・・・壊れるにも色々ある。
ひたすらに奥底へと落とされるもの。
それとは逆に、一切落としてもらえないもの。
はたまた、全く別の方法も。
前者になった事はある。
それは零の手によるものではなかったけど。
そして実際に、あれは壊れたとも言えるだろう。
でも彼の言う壊れるとはきっと、そういう意味ではなくて。
「っあァ・・・!!」
互いに好きだと分かっていても。
傍に居ると誓い合っていても。
何故か不安になってしまう。
・・・不安、に・・・。
「・・・ッ」
・・・いや、違う。
私が・・・私だけが、彼を不安にさせてしまっているのか。
私は、彼が私の事を嫌いになって目の前から居なくなるかもしれない、なんて不安は・・・無い。
でも・・・。
「い、っあぁあ・・・!!」
でも私は、そんな不安を彼に与えていないだろうか。
「集中してないだろ」
・・・多分、与えてる。
だからこうなっているのだろう。
彼を嫌いになる事は絶対に無いと誓えるが、それが彼に伝わっているとは限らない。
それに、嫌いになる事は無いが、それ以外の理由で彼の前から姿を消さないとは・・・限らない。
実際、赤井さんとあんな取引をしてしまっている。
でもこれには私なりの理由がある。
・・・彼は納得しないだろうけど。
私達は歪な関係だ。
そんな取引でもしていなければ・・・。
・・・彼の命が追われてしまう。
「・・・っ、してる・・・」
零の問いに、息を詰まらせながらも答えた。
その嘘だらけの返事をしながら、集中していない間に、ナカを埋める彼の指が増やされた事を薄ら思い出して。
律儀に体だけは反応し、声を上げてしまっていたけど。
「やっ、ぁ・・・あ・・・!!」
グチュグチュ鳴る粘着質な音が、部屋に響く。
こういう時に感じる背徳感は何なのか。
・・・実際に、これはいけない事なのだろうか。
なんて、考えてしまう始末で。