第101章 知って※
「恐らくは、な。でも故意でない可能性も残っている。僕達や組織と関係無いとは言い切れないが、関係しているとも言い切れない」
まあ、この小一時間程度で分かれば苦労はしないか。
でも故意でない可能性は・・・限りなく少ないだろうな。
そう思うと、視線は自然と足元を向いてしまって。
「心配するな。何もさせやしない」
「!」
その声色に、思わず顔が上がった。
「僕が必ず守る」
この声は・・・いつも・・・。
「!」
目を見開き、彼の横顔を見つめていた時、突然その空気へ横槍を入れるように、私のスマホが鳴った。
「ご、ごめ・・・」
滅多になる事は無いのに。
今日はよく鳴る。
それはさっきの電波障害のせいもあるが。
そう思いながらスマホを手に取り画面を見れば、そこには珍しくコナンくんの名前があった。
「誰だ?」
「えっと・・・コナンくん、だけど」
タイミングが悪い。
でも、この場で流石に嘘はつけない。
コナンくんにとって、今零が隣に居るのは都合が良いかどうかは分からない。
・・・だったら。
「スピーカーにしてくれ」
「う、うん・・・」
出ることは前提での指示。
言われた通りに受話ボタンを押すと、スピーカーにして。
「・・・もしもし?」
『あ、如月さん?』
本当にコナンくん、だ。
正直、彼が出るまでは本当に彼からの電話なのか半信半疑だった。
『今、電話大丈夫?』
・・・来た。
彼からこの質問が来たということは、周りに誰もいないかどうかの確認で。
「・・・大丈夫だよ」
私達の会話に耳を澄ませる零を横目にチラリと見ては、そう答えた。
『ありがとう!あのね・・・』
子どもらしい声。
この無邪気さを演じるのは毎回流石だと思ってしまう。
『・・・あっ、ごめん。博士に呼ばれちゃったから、掛け直すね!じゃ!』
良かった、合図が通じた。
コナンくんには以前から、こういう事が起きた場合の対処法として、指示を受けていた。
初めての実行だったが、上手くはいったようだ。