第101章 知って※

それから数分後の事だった。

「！」

零が机の上に置いていった私のスマホに、突然いくつもの不在着信やメールが届いたのは。

すぐにスマホを開いて確認していくと、零から幾つもの不在着信とメールが届いていた。

そして、私が送ったはずのメールは･･･送信されていなかった。

「･･･まさか」

通信障害。

最初に過ぎったのは、その可能性だった。

でも、もしそうだった場合･･･問題なのは。

「！」

一人考えを巡らせていた時、スマホにとある人物から着信があって。

出るかどうかは迷ったが、応答ボタンを押すとスマホを耳に当てた。

「･･･もしもし」
『おや、無事のようですね』

電話の主は慌てた様子も無く、いつもの落ち着いた様子で声を掛けてくれた。

赤井秀一ではなく、着信画面の通り沖矢昴として。

彼の落ち着いた様子のおかげか、どこかザワついていた気持ちは少し落ち着いたようで。

「そう聞くという事は、何か知っているんですか」
『いいえ。彼が、貴女がここにいるのではないかと訪ねて来たものですから』

･･･零が？

「直接ですか･･･？」
『ええ。食ってかかる勢いで』

だから、あの焦った様子だったのか。
･･･でも、何故ここに来る前に工藤邸に行ったのだろう。

普通ならば、最初にここへ来そうなものだけど。

『とりあえず、そちらに直接危害は無かったようですね』
「･･･まだ、分かりませんけど」

今はまだ目に見えていないだけで、もう何かは始まっているのかもしれない。

『こういう調査は彼らの方が畑でしょうが、我々でも一応調べてみますよ』

不安は残るが、公安とFBIが動いてくれるのなら、すぐに理由くらいは分かるだろう。

「･･･お願いします」

私は、下手に動かない方が良いかもしれない。
原因が分かる、その時までは。

もしこれが組織の人間によるものだった場合、全ての合図が一気にされる可能性も･･･あるから。