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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第100章 ゼロで※




「ひぁ、ぁ・・・ッ!」

つい、反射で縛られたそれを解こうとしてしまう。

どうせ解けないのに。
解く気なんて、互いに無いのに。

「零・・・っ、イク・・・っ」

堕ちるのはいつも簡単で。
正確には落されているのだけど。

「・・・あぁ」

そう返事をする彼は、真っ直ぐ私を見ていて。
その表情までは確認する余裕なんて無かったが、彼にも余裕が無い事だけは分かっていた。

「やっ、ぁ・・・ッ」

彼に落とされる、この瞬間が何とも言えなくて。

逃れられない感覚に押し潰されているような、蹴落とされているような。

「い、あぁっ・・・ぁあ・・・っ!!」

神様がこの快楽を与えたのは何故なのか。
そんな事すら考えさせられてしまう。

「まだバテるなよ」
「待っ・・・て・・・」

彼に一番無意味な言葉を性懲りも無く吐いては、宣言通り優しくはない抱かれ方をされた。

でもそれは、いつもの彼に比べて、という意味で。

決してそこに思いやりや配慮が無かった訳では無い。

無かったのは、互いの余裕だけで。

愛があるからこそ、できる愛し方だった。


ーーー


それから数日経ったある日。
私はいつものようにポアロで働いていた。

仕方が無いとはいえ、何度も長期の休みを貰い、梓さんには本当に申し訳無く思っていた。

だからか、一ヶ月以上続けて働けていることに、ある意味奇跡を感じていて。

そして逆に不安も。

・・・そんな平穏な日を崩す人間は、突然現れた。

「いらっしゃい、ま・・・」

今日は梓さんも居ない、珍しく一人での仕事の日で。

平日のおかげか、比較的落ち着いたランチを乗り越え、あと数時間でマスターと交代をする頃だった。

「こんにちは」
「・・・沖矢さん」

暫く会っていなかったせいか、久しぶりにこうやって姿を現した理由が、流石に良い事だとは思えなかった。

「今日はお一人なんですね?」

今日は、というのはどういう意味か。

まるでこの約二ヶ月間、私を見ていたような言い方だ。




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