• テキストサイズ

【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第14章 出発前




「でも・・・有希子さんや息子さんはどこに住んでるんですか・・・?」
「私と主人は今、アメリカに住んでて。息子の新ちゃんは事件解決が忙しくて、全国を飛び回ってるみたいよ!」

なるほど・・・今はあの大きな家に沖矢さんが本当に一人なのか。
そして工藤一家があの家の主だとすると、彼は・・・。

「じゃあ、コナンくんは・・・」
「前にも言った通り親戚だよ」

突然扉が開き、下の方から声がする。そこに目を向けると、小さな探偵さんがいて。

「コナンくん!」

久しぶりに彼と会った気がする。
最後に会ったのは確か、沖矢さんと協力者になってほしいと言われた時。

「来てくれたんだね」

彼の切なそうな笑顔に、彼も少なからず私を協力させることを嫌がっているんだな、と感じた。
こんな小さな小さな探偵さんに。

「透さんの為に・・・ね」

あくまでも私はその為。
透さんが組織の人間かどうか。
今、知りたいのはそれだけ。
・・・分かるかどうかも分からないけど。

それを告げると、また彼は悲しそうに私に笑いかけて。

「じゃあ、作戦会議といきましょうか」

今度は沖矢さんが不敵な笑みを浮かべる。
いよいよ始まるんだと、ゆっくりと息を飲んだ。
そこから最初に口を開いたのはコナンくんで。

「如月さんはその都度、僕や沖矢さんが指示するから臨機応変に動いてね」

そんな無茶振りな。
困り果てながらそう思った。

「私そんなに器用じゃないよ・・・」
「ひなたさんなら大丈夫」

何故かコナンくんの言葉は心強くて。
無理でもやるしかないのだと言われているようでもあった。

「とりあえずこの後、如月さんは僕に着いてきて。蘭姉ちゃんや一緒に来てる僕の友達を紹介するから」

蘭さん達まで来ているのか。
なんの為に紹介されるのか不思議に思ったが、今の私には縦に首を動かす以外許されてはいない。

「分かった」

そう返事をすると、コナンくんは満足そうに笑った。

その後は三人でコソコソと隅の方で話し、私は完全に蚊帳の外となった。それでもその方が良いと思い始めて。

詳しく彼らの行動を知ってしまうと、いざ自分が動く時に躊躇してしまいそうだったから。



/ 1935ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp