第99章 生きて※

「やっ！あぁっ･･･ダメ･･･ッ！」

腰を下ろす度、ズプンっと音を立てる結合部に気を取られていると、突然胸の蕾を強く摘まれて。

ズルッと滑るように腰を落とし切ると、下半身がガクガクと震え、力の入れ方が全く分からなくなってしまった。

「腰･･･止まってるぞ」

･･･そんな事、言われても。

一度止まってしまうと、再び動かし始めるのには思った以上に体力が必要で。

僅かにこちらが優勢だったはずなのに、やはりいつの間にか逆転してしまう。

この震えと彼から与えられる快楽のせいで、体はまだ欲しいと訴えるのに、言うことをきかなくて。

「い･･･、零･･･っ！」

胸の膨らみに添えられている手を離してほしいと首を小刻みに振るが、こういうお願いは大体叶わないもので。

「ひぁっ、や･･･ッ！！」

突然、首筋に噛みつかれるように唇を這わされたかと思うと、彼はそこを強く吸い上げた。

「だ、め･･･っ、零･･･そこ･･･っ」

そんな位置、洋服で隠しにくい。
近いうちにポアロに戻る予定もあるのに。

つけるなら、もっと分からない位置にしてほしい。

「ここでないと、意味が無い」

一度首筋から唇を離しては心の中での訴えに反論されると、再び強く同じ場所を吸い上げて。

これは暫く残りそうだ。
僅かに諦めの気持ちもあるが、どちらかと言えば受け入れだ。

その位置は正直困りはするが、彼からの物だから。

「･･･や、ぁっ･･･」

痕が付いたであろう場所に、ゆっくりと彼の舌が這って。

温かい感触にピクッと反応すると、微かに彼の声にならない声が聞こえた気がした。

「･･･ひなた。流石の僕も、そろそろ辛いんだがな」

そう、か。
あの一瞬、またナカで彼を締め付けてしまったのか。

でもこれは、私のせいでは･･･。

「･･････」

なんて考えている最中、小さな疑問が私の中に生まれてしまって。

今、私が。
意図的に力を入れると、彼は再びその綺麗な顔を歪ませるのだろうか。