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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第99章 生きて※




「あまり噛むと、傷になる」
「ンぅ、ん・・・ッ」

声を抑える為に噛んでいた下唇に彼の舌が這うと、唇が一瞬緩んで。

その隙を見逃さず、すかさず入ってきた舌があるせいで、甘い声はキスの合間からすり抜けていった。

「・・・ん、く・・・ふぁ・・・ッ!」

くぐもった声は、背徳感を増幅させて。

快楽に身を任せたい気持ちと、どこか抗う気持ちがぶつかり合うせいで、完全に彼へと集中ができなかった。

「っ、ひあ・・・ぁ・・・!」

唇同士が離れると、今度は彼のそれが蕾に口付けられた。

むず痒い、何とも言えない感覚が全身に広がって、欲望だけが湧き上がってくる。

「待っ、て・・・待って、零・・・っ」

本当は言いたくなかった。
でも、言わなければどうにかなりそうで。

「まだ待たせるのか?」
「ちょっと・・・っ、ちょっとだけでいいから・・・」

少しだけ不服そうに、でもどこかわざとらしく。

私を上目で見上げながら、動きを止めた。

「心臓・・・痛くて・・・」

何度経験しても、彼とは緊張して苦しくなる。
今日は・・・それがいつもより強い。

一気に事が行われると、本当に心臓が破裂してしまいそうで。

「・・・大丈夫か?」

私の手を束ねていた彼の手がスッと離れると、頬へと滑ってきて。

「大丈夫・・・だけ、ど・・・」

彼が心配する程、深刻なものではない。

でも。

「ちょっとだけ・・・ゆっくり、して・・・」

でないと、本当に。
壊れてしまいそうで。

「・・・それは相当難しい事だな」

分かってる。
彼にとって酷な事を言っているということは。

だからこその、お願いで。

「ごめん・・・」
「謝らなくていい」

それでもやはり、罪悪感は湧き上がってしまうもので。

その申し訳なさで気持ちがいっぱいになった時だった。

「でも、僕だけが我慢するのは、少しだけ不公平だと思わないか?」
「・・・?」

・・・そうだった。

彼はどういう状況でも、どうにかしてしまう人間だった。

それは自分が追い込まれれば追い込まれる程、発揮されるもので。




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