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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第97章 最終的




「それをしたら困るのは君達でしょ。僕から情報を搾り取りたいくせに」
「きゃ・・・っ!?」

男は会話を続けながら、私の腰へとゆっくり手を回した。

それに驚いて、思わず声を上げてしまって。

「妙なマネはしないで頂けますか。流石に、力が入ってしまいそうです」

そう言ったバーボンの手には、銃が握られていて。
視線は依然として前のままだが、その銃口だけは男の方に向けられていた。

「あっはは!本当に子猫ちゃんが好きなんだねえ。こんなマーキングしちゃうくらい」

男は何が楽しいのか、笑いながら私の首筋に指を這わせた。

その行為に嫌悪しか感じなくて。
ただただ顔を顰める事しかできなかった。

「僕は貴方を始末しても別に困りませんよ。僕の車でもありませんし」
「どうだろうねえ」

・・・隙がない。
私から何度も目は離しているのに、こちらが何かをする僅かな時間さえ与えられない。

車内という密室も理由の一つだが、単純にこの男が隙を見せない。

「ね、子猫ちゃん」
「!」

突然、近かった距離を更に詰められて。

何かの拍子で、男の握る銃に力が入るんじゃないかと、体に力が入った。

「体、何ともないの?」
「・・・え」

その質問にゆっくり男の目を見るが、そこには純粋に質問をしている表情があって。

戸惑いから言葉に詰まっては、目を泳がせてしまった。

「あれだけ薬を使われて、何ともない訳ないよね?それとも、本当に何もなかったの?それはそれで面白いけど」

・・・記憶が無くなったことは、知らないのだろうか。
それなら、言わない方が良い事は確かだけど。

「・・・っ・・・」

怖い。

何を考えているのか分からない、この男が。

この、目が。

この瞬間まで、震え一つ起こさなかった自分が不思議なくらい、急に恐怖が襲ってきた。

「そんなに怖がらなくても。あ、それとも・・・早く気持ち良くなりたかった?」

いつの間にか、男の左手には試験管のようなガラス瓶が握られていていて。

それを目の前でチラつかせては、不気味な笑顔を向けられた。




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