• テキストサイズ

【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第97章 最終的




ーーー

「追っ手はいないようだね」

随分と車は走らされた。
車通りの少ない場所と多い場所を交互に走っては、何度も男は外を気にしていた。

そこまでして私達に接触する理由は何なのか。
男にどれ程のメリットがあるというのだろう。

「昼間、君達が僕を始末しようとしていた場所に向かってくれるかな」

車を適当に走らせている間も、後部座席で隣に座る男は私の頭から銃を離すことはなかった。

ただ不思議と恐怖は少なくて。

根拠は無いが、銃を向けられた時、その人物が撃つ気があるかどうかというのが、何となく分かっているからかもしれない。

この男は撃つ気が無い。

でもそれは何かの切っ掛けで、気が変わる可能性だってあった。

「あそこで始末されていた方が、楽だったかもしれませんよ?」

前を向いたまま、バックミラーに目を向けては彼が男に言い放って。

「よく言うよ。君達、警察が始末させなかったんだろう」

・・・まだ、彼を警察官だと疑っているのか。
それとも、もう確実な証拠を握っているのか。

元々、男はどこかそれに対して確信的な言い方だった。
確率はゼロではない。

もし確証があるのなら・・・かなり厄介なのでは。

「そもそも僕は、警察官でも何でもありませんけどね」
「じゃあ君は、公安に捕まっておいて何の騒ぎも立てずに脱走してきたのかい?」

そういえば・・・この男を公安の人達が確保しに来た時、風見さんがそんな事を言っていた。

あの時は、そういう事にして話を進めていたのだろうけど。

「それは貴方も同じでは?」
「僕はそれなりに騒ぎになってるでしょ?」

互いに、質問で会話が成された。
でもそれは進んでいるとは言い難くて。

「警察では知りませんけど、組織ではそこそこ騒ぎになっていますよ。今ここで貴方を始末すれば、組織でも良いように立ち回れるんですけどね」

・・・冗談には聞こえないが、冗談だろう。

でなければ今日、この男を逃がした意味が無い。



/ 1935ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp