• テキストサイズ

【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第96章 価値感※




「あの男は・・・組織に何をしたの?」

そもそも、狙われる理由を未だによく知らない。
あの男も、私も。

「・・・そこまでは僕も知らされていない。だからこそ、この件にはなるべく関わりたくないんだ」

バーボンですら、そんな状況だなんて。
流石にジンやベルモットは知っているのだろうか。

・・・彼が誤魔化している可能性も捨てきれないけど。

「本当にあの男、あそこに来たの・・・?」

作戦が失敗だったのは分かったが、そもそもあの場に現れていたのか。
それすらも疑問に感じてきた。

「来たのは囮だろうな。相手には先にFBIの存在をチラつかせておいたから、組織から逃げたと言うよりはFBIから逃れたという方が正しい気もするがな」

それはFBIと相談しての事だろうか。

沖矢さんは、あの男を常にマークしていると言っていた。
・・・まさかFBIすらも利用したのでは。

「あの小屋で・・・あんな事した、のは・・・」

正直、これに理由を見いだせない。

相手は囮だった。
それに、FBIの存在をチラつかせておいたのなら尚更。

誰も見ていないあの場で、声を出せと言った理由とは。

「残念ながらバーボンは、あんな場所でお行儀良く待っていられるような良い子ではない」

言いながら、彼の手が私の顎に添えられて。

くいっと持ち上げられると、不意に顔を近付けられた。

「・・・っ」

意味なんてない。
敢えて理由をつけるのなら。

「僕がそうしたかったから、そうした」

そう、静かに耳元で囁かれた。

「これじゃ、不十分か?」

耳元から静かに離れた顔は、目の前にきていて。

あの時と同じような・・・悪い笑顔が目に写った。

「・・・不十分」
「それは困ったな」

うっかり首を横に振りそうになったが、耐えて説明を求めた。

流石にそれだけではないはず。

そう目で訴えたが、彼の笑顔が崩れる事はなかった。




/ 1935ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp