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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第96章 価値感※




「お待たせてすみません。行きましょうか」

次に姿を現した時、彼はもう降谷零ではなかった。

「・・・はい」

いつもとは違う、戦闘服。

バーボンでいる時の、彼の姿。

差し出された手にはいつもの手袋がしてあって。
見た目はいつもの彼なのに、雰囲気は全く違って。

私もこれくらい、吹っ切れられたら。

・・・少しは、楽になれるだろうか。


ーーー


あれから二人で車に乗ると、早速何処かへと走らされた。

事務所でしたあの食事が、どちらかと言えば昼食だった事は、出る頃に気付いて。

それでもまだ外は明るいが・・・どこで何をするつもりなのだろう。

何となく、組織の人間に会いに行くのだと思っていたけど、それはあくまでも私の勝手な予想だったから。

「誰かに・・・会うの?」

色んなものを伺いながら横で運転する彼に横目で質問すると、彼も一瞬横目でこちらを見て。

「・・・会えれば、な」

会えれば?
ということは、約束はしていないという事なのか。

「・・・・・・」

それに気付くと同時に、何か違和感を感じた。

自然過ぎて最初は気が付けなかったが、今・・・返事をした彼は。

・・・降谷零だったような気がする。

彼がバーボンの服に身を包んでいる時、別の彼でいる事は殆ど無かった。
外に出ている時は尚更のことで。

気の緩み、という訳では無さそうだったけど。

これから会う人物は、降谷零として会う・・・という事なのだろうか。

・・・いや、別に車内で二人きりなのだから、深い意味は無いと考えても良いのだろうけど。

何か・・・さっきの彼の言葉といい、引っ掛かる所がある。

「どこで・・・?」

あまり目立つ場所でないことは確かだ。
・・・多分。

「それは向こうの気分次第、といった所だな」

ますます、分からない。

誰かに会うことは間違いない。
でも、時間も場所も分からない。

そんな相手と・・・どうやって会うというのだろう。



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