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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第95章 決めて※






「ン・・・ッ」

あのまま、ソファーで事が行われそうになった所で、流石にそれは拒んだ。

ここでは嫌だ、明るいのは嫌だという文句を言えば、我儘だと言われながらもフッと笑われ、ベッドまで運んでくれた。

ギッ・・・と音を立てるベッドに降ろされると、どちらからとも言えないキスをした。

長く、溶けてしまいそうな、深いキス。

心地良くて、気持ち良くて、このまま眠ってしまいたくなる程に心を落ち着かせた。

・・・さっきまでの動揺が、嘘のように。

「ひなた」
「?」

今日、彼が私の名前を呼ぶ時は、妙に改まっているように感じた。

唇が離れると、彼は名前を呼んでは私に覆い被さるように強く抱き締めた。

「・・・零?」

それ以上何も言わない彼に問いかけるが、特に反応は返って無くて。

とりあえず彼の背中に手を回し抱き締め返すと、暫くその体勢のまま数分が経った。

・・・こうしているだけだけど、とても安心する。
体温を感じている事で、彼が傍にいることを実感する。

そして、安心感のせいか、瞼は段々と重みを増してきた。

「ひなた」
「ん・・・?」

半分意識が遠のいていた時、彼の声でそれは引き戻された。

少し腑抜けた声で返事をすると、密着していた体は徐ろに離されて。

「今度は僕の我儘に、付き合ってくれないか」
「・・・わがまま?」

珍しくそんな事を言う彼に、何を言われるのかと僅かに身構えてしまった。

「・・・・・・?」

ベッドに倒されていた体を起こされると、何故か彼と向き合うように座らされて。

疑問符しか浮かばない中、月明かりだけがお互いをぼんやりと照らした。

「まずは、ひなたからキスをしてほしい」

・・・まずは?

ということは、彼の言う我儘というのは、幾つかあるという事だろうか。

「わ、分かった・・・」

困惑しながらも、目の前に座る彼に跨りつつ立膝の状態になって。

零の肩の上に手を置くと、何故か先程よりも距離が近く感じられた。





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