第13章 愛して※
「ひなたさんもなかなか意地悪ですね」
透さん程ではないと思うけど。
というより、意地悪な質問をしたつもりはなくて。
「・・・ひなたさんと同じ、ですよ」
それは私が余裕がないと分かっての答えなのだろうか。そうだとしてもそれは信じがたくて。
「そうは・・・見えませんけど」
「これでも我慢してるんですよ」
楽しそうにそんなことを言われても信じられるはずもなく。
「また、信じてくれてませんね」
そしてその考えはあっさりバレてしまう。
「こればかりは、体に教えこませる他無いようですね」
そう言うなり、服の裾から少し冷たい何かが肌を這ってきているのが分かって。
それが透さんの手だと分かるのに時間はかからなかった。
「透さ・・・っ」
「今更、やめては通用しませんからね」
言い終わる頃には胸の膨らみまで手が到達していて。そのまま服をそこまでたくし上げられると、下着に包まれたそれが空気と透さんの眼前に晒されて。
「や・・・っ!」
暗闇と言えど、恥ずかしさから思わず腕で胸を隠すが、すかさず片手の指に透さんの指が絡みついてくる。
それを頭の横に移動された。
わざわざ腕や手首を掴まず指を絡ませたことに、透さんの優しさを感じて。きっとまだその辺りを掴まれることは怖いから。
残っている腕で隠そうとするが一本だけではどうにもならなくて。
「・・・もう、容赦しませんから」
そう聞こえた気がしたけれど。肌を這う透さんの手に全神経が集中してしまっていて。
ブラはつけたまま、そこから膨らみだけを取り出されて。現れる両方の突起に更に恥ずかしさを覚えた。
「あ・・・あんまり、見ないでくだ・・・さい」
部屋は暗いと言えど、多少は目が慣れてきていて。ある程度お互いの存在が確認ができる状況に、恥ずかしさが増していく。
「それは難しい相談ですね」
そう言うと胸の突起を優しく指先で触れたり、回したり、摘まれたりして。
透さんに触れられている。そう思うだけでおかしくなりそうなのに、感じる快楽がその沼を深くしていく。