• テキストサイズ

【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第92章 執行人




「とりあえず、この先で降谷さんが待っています。今は如月さんしか、あの人を救えません」

・・・何が何だか分からない。
今日は何も説明が無いまま事が進んでいく。

この後・・・きちんと誰か説明してくれるのだろうか。

「随分勝手なんですね・・・」
「重々承知です」

あんなに突き放しておきながら。
毛利さんをあんな事をしておきながら。

零の為なら何だって、と思いながらも、風見さんにはつい本音と文句が漏れてしまった。

・・・私も、十分勝手か。

「あの件については、降谷さんが話してくれなければ私から話しますから」

そう言った風見さんに、思わず視線を向けた。

・・・それはつまり、零や公安に対する反抗・・・ということになるのでは。

「大丈夫なんですか?」
「如月さんには、借りのようなものがありますので」

借り・・・?
そんなもの作った覚えは無いが。

それに。

「私の方が・・・その・・・」

わざわざ、風見さんが話さなくても構わない事案を作ってしまっているけど。

「あれはもう謝罪を頂きましたから」

皆まで言わずとも、風見さんは何を言いたいのか察してくれて。

・・・確かに、彼に張り手をした件については、警視庁で一応謝罪はした。

でも、本来ならこうしては居られないはずで。

「あれは公安警察ではなく、私個人にしたものだと思っています」

あながち、間違いではないけど。
でもあの時は一応、職務中だったから。

こういう風になるとどうしても、罪悪感は感じてしまう。

風見さんには悪いが、した事に後悔はしてないけど。

ーーー

暫く車を走らせた後、見えてきたのはあの爆発があった国際会議場で。

無残な姿になったそれを直接見れば、風見さんや零がよく無事だったなとさえ思う。

ここに零が居るのだろうか、と考えている矢先、車はそこから少し離れたビルの前で止められた。

「ここです」

そう言って先に車を降りる風見さんを追いかけるように、慌てて車から降りると、夜の肌寒さに体を震わせた。




/ 1935ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp