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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第92章 執行人




これは所謂、違法捜査になるのでは。

捜査という程のものではないかもしれないが、流石に警察官の会話を盗聴するのは気が引けた。

零が手段を選ばなかったのと同じように、今回の彼もまた手段を選ばないのか。

いや、今回に限らないか。

「・・・っ」

私が戸惑う中でも、彼は集中して耳をすませていた。

止めるべきなのか。

そもそも、何故私が呼ばれたのか。
盗聴だけであれば、私を呼ばなくても良かったのでは。

零の行動も分からないが、コナンくんの行動も段々と分からないものになっていて。

それでも、やはりこれはルール違反ではないかと、彼に盗聴をやめさせようと手を伸ばしかけた時。


「捜査会議の盗聴かな?」


「!?」

まずい。

そう思ったのは、私だけではないはずだ。

勢いよくコナンくんが振り返ったのに対し、私はゆっくりと後ろに居る彼の姿を確認した。

「何でここが・・・っ」

コナンくんのその言葉を聞く頃、私もようやく姿を目視した。

私達を不敵な笑みで見つめる、降谷零の姿が、そこにはあって。

「毛利小五郎の事となると、君は一生懸命だね。それとも、蘭姉ちゃんの為かな?」
「・・・ッ」

もしかして。
・・・つけられていた?

だから昨日、警視庁にいた時もバレたのでは。

そう考えていると、突然近くの茂みがガサガサと揺れて。
それに思わず肩を震わせた。

「構わない、出てこい」
「・・・!」

茂みの方へ視線だけを向けながら声を掛けると、そこから姿を現したのは風見さんだった。

さっきまで捜査会議に参加していたはずだったのに。

「なぜ、私を呼んだんです?」

その疑問は、私達も同じだった。
が、風見さんの問いに零が答える様子も、動く様子も無くて。

「・・・降谷さん?」

風見さんと、大きさは違えど同じように戸惑う中、零は突然風見さんの方へと詰め寄った。

その気迫や圧は、無言ながら強く大きくて。
目付きは今までに見た事の無いほど、鋭いものだった。

「ッ!!」

風見さんの目の前に立った瞬間、零は風見さんの腕を片手で一度下げると、今度はすかさず捻り上げ、風見さんに跪かせた状態で持ち上げた腕の裾へ手を忍ばせた。



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