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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第13章 愛して※




途端に、透さんの余裕を崩せるんじゃないかと、一つの策が浮かんだ。

別に透さんの弱みを握ったり、余裕を崩したい訳ではなかったが、彼の弱い部分を知っておきたくて。

それは単純なる私の興味でもあったけど。

でもこの行動をするにはかなりの寿命と勇気を必要としそうだな、なんて他人事のように考えてみては俯いた。

でも、少しでも可能性があるなら試してみたくて。私の中の僅かな好奇心がそれを掻き立てた。

「と、透さん・・・!」

意を決して顔を上げ、透さんに視線を向ける。突然の私の呼びかけに、目を丸くして戸惑った様子の彼を見て更に欲が出る。

それでも中々思った行動は取れなくて、暫く彼の目を見つめたまま数秒経ってしまった。

「ど、どうしたんですか・・・?」

その間の意味を尋ねるように透さんが口を開く。

「・・・・・・っ」

もうなるようになれ、とその場に立ち上がった。不思議そうな顔で透さんは私の行動を見つめる。
そのまま彼の目の前に立ち、覚悟を決めて。

「し、失礼します・・・っ!」

迷いが出てしまう前に素早く手を彼の肩へ置き、ソファーに座る透さんへ被さるように片膝を彼の座る傍へついた。ソファーがグッと沈み込むことで、もう後戻り出来ないことを、痛感して。

そのまま固く目を瞑り、自身の唇を彼の唇へと近付けた。

「・・・・・・」

触れる直前。急に体が動かなくなって。
怖気付いてしまった、というのが一番ピッタリくる言葉だった。

「・・・ッ」

そのまま力が抜けるように透さんの膝の上へペタンと座り込み、肩には手を置いたまま彼の胸に顔を埋めた。

「・・・すみません、ちょっとでも透さんの余裕を崩してみたかったんですが・・・ダメでした・・・」

その体制のまま、諦めて行動の理由を自白した。
透さんの顔なんて見れる訳もない。寧ろ、私の顔を見てほしくなくて。

暫くの沈黙。
気まずかったのは確かだが、どうしても顔を上げることができなくて。さすがに少し怒っただろうか、と怯えていると。

「顔、上げてもらえませんか」

聞こえたのは優しい声。それにまた罪悪感のようなものが増えて。
恐る恐る確認するように顔を上げた。



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