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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第91章 ゼロの




「如月さんってさ・・・」
「?」

コナンくんが何かを言いかけた時、それと同時に何かに気付いた様子を見せた。

私に向けていた視線を別の方へと向けると、自然と私もそれを追って彼と同じ方向を見て。

「高木刑事!」

視線の先には、用事を済ませて帰ろうとする高木刑事の姿があった。

「どうしたんだい?コナンくん」
「ちょっと聞きたいことがあって・・・どこかで話できない?」

階段を降りて高木刑事に近づきながらあどけなく聞く姿は、さっきとはまるで違う。
彼の演じる、江戸川コナンそのままだった。

「少しなら構わないけど・・・」
「あの、私も行って良いですか?」

彼らの会話に割って入ると、その視線をこちらに集めて。

目を丸くして見てくる高木刑事に、それはそうかと納得しながらも、別の場所へと早めの移動を促した。

風見さんがいるここで話はできない。
だから場所を移すことは必要だと考えて。

ーーー

場所を移した頃には、段々と日が傾きかけていて。
街がオレンジ色に染まり始めていた。

「話せることだけでいいから、あの爆発のこと教えてくれない?」

普通なら教えてくれるはずがないんだろうが、今回ばかりは仕方がないとも言える。

そして高木刑事を選んでいる辺り、やはりコナンくんは悪い子だ。

まあ、私もそれに便乗しているのだけど。

「我々刑事部、あと公安部と警備部が、サミット前に現場を点検することになってて・・・爆発の時は公安部が担当だったんだ」
「だから風見刑事が怪我を・・・」

・・・やはり、コナンくんは風見さんのことを知っているのか。

それとも、さっき探偵事務所で聞いたのだろうか。

「彼はビルの外にいたから軽傷で済んだけど、ビルの中にいた人達は・・・」
「うん・・・亡くなった人もいたって、ニュースで見た」

・・・運が良かったと言えるのだろうか。
爆発に巻き込まれた時点で、そうでは無さそうだけど。

それは零にも言えることで。

「こういう事は言うべきじゃないんだろうけど、被害が民間じゃなく、警察官だけだったのは不幸中の幸いかもしれない」

そう話す高木刑事の声は重く、事の大きさを思い知らされた。




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