第88章 感覚で※
「ひぁ・・・ッ」
手に気を取られていると、鎖骨辺りに感じた温かく柔らかい感触に今度は大きく体が跳ねて。
そうかと思えば、今度はチクリと刺すような痛みに近い感覚を覚えた。
「れ、い・・・っ」
痕を、付けられている。
それに気付いた時は、もう遅かった。
彼の唇が離れ、彼の少し満たされたような表情を見れば、どれだけそこに濃く残されたのかは痛い程よく分かった。
「ん、ぁ・・・っ」
服の中では、もそもそと動いていた手が下着をズラし、蕾を優しく刺激してきて。
ビリビリと電気が走るような感覚。
この時いつも、どこか背徳感を感じてしまう。
今日は初めての場所だから、尚更で。
初めての場所なのに・・・少しだけ、ほんの少しだけ、彼の匂いがするのも相まって。
「・・・すまない。嫌なら言ってくれ」
その言葉に、一瞬何の事かと思ったが、それはすぐに分かる事となった。
蕾を刺激する手とは逆の手が頬に添えられると、その手の人差し指が口内へと入ってきて。
ああ、まだ副作用のことを気にしていたんだと気付けば、何も無いことを証明するように、彼の指に舌を絡めて中へと誘った。
「・・・っ」
彼の見せた、驚いているようにも、余裕が無くなったようにも見える表情に、こちらまでそれが移ってしまって。
「・・・ン、く・・・んぅ・・・ッ」
少しだけ、苦しい。
でもこれで、彼が少しでも安心できるのなら。
こんな苦しさ。
「は、ぁ・・・っん、ン・・・」
一頻り口内を調べられた後、彼の指が引き抜かれると同時に、今度は唇で蓋をされた。
再び舌が絡み、息をする暇すら与えられない。
そんな中、先程まで口内で暴れていた彼の指は、下着の隙間を通って、既に蜜口に当てられていた。
それに気付けないくらい、色んなものに気を取られ過ぎていて。
「んんぅ、ふ、ンう・・・ッ!」
前戯なんて必要ない程、私のナカは彼の指をすんなりと受け入れた。