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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第88章 感覚で※




ただ、ここで捕まった人が沖矢さんだったのは、不幸中の幸いと言えるのかもしれない。

きっと、これ以上一人歩きするのはやめた方が良い。

隠密な会話をする為に隠れるのは打って付けだが、それは裏を返せば、悪い事をするのにも打って付けということだ。

とりあえず神社へ向かうのは一旦やめ、沖矢さんと共にコナンくん達の所へ向かうべきだと考えた。

「沖矢さん。神社ではなく、一緒に・・・」

彼と共にコナンくん達の元へ向かえば、少なくともコナンくんの反応は見ることができる。

不本意と言えばそうなのだが、それを確認する為にも、沖矢さんにコナンくんの元まで着いてきてほしいと頼みかけた時だった。


「すみません」


突然、別の誰かから話し掛けられてしまって。

「・・・・・・っ」

・・・いや、誰かなんて声で分かってた。
そうでなければ良いのに、と思ってしまったんだ。

何故かいつも・・・外では都合が悪い時にばかり会ってしまう、その人を。

「見間違いでなければ、そちらの方は僕の彼女かと思いますが」

帽子を目深に被り、目立たない格好で現れたが、それは紛れもなく零だった。

・・・いや、今は安室透・・・なのか。

「おや、貴方も来ていたんですね」

白々しく透さんにそう言うと、沖矢さんは私の腕を掴む手の力を僅かに強めた。

その瞬間、この体制はあまりにも誤解を生むものだと今更気付いて。

もう一度体を引き離そうと身を引いてみるが、彼の掴む力が強まったせいで、それはビクともしなかった。

「その節はどうも。それより、その手を早く離して頂けますか?」

明らかに敵意剥き出しの声色で話しながら、透さんが一歩一歩ゆっくりと近付いてきて。

まだ距離はあるものの、その威圧感だけは凄まじいものだった。

「どうやら見間違いでは、ないようですから」

キッと鋭くなった目つきに、背筋が凍って。

「そうですね」

それをものともしない、返事になっているのかどうかすら分からない返事をすれば、急に彼の手が私の顔を顎の方から鷲掴むように片手で挟んで。

そのまま沖矢さんは、透さんに後頭部を向けるように向きを変えると、私の顔へと自身の顔を近付けた。




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