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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第88章 感覚で※




「・・・ごめん、やっぱり何でもない」

今この場で言うのはやめよう。
・・・いや、そもそも言うのをやめた方が良いのかもしれないけど。

あの男は透さんが警察官でないかと察していた。

結局それは誤魔化したのだろうけど・・・あの時あの男が既に、安室透はバーボンだと気付いていたら。

「良ければ、場所を移動しませんか」

落ち着かない。
気持ちも、この場の雰囲気も。

人気が少ないとはいえ、目の前には人通りもある。

もし組織に消されたのだとして、その瞬間、あの男が自身の気付きを組織に吐いていたら。

安室透は・・・バーボンは、警察官の可能性があると、吐いていたら。

「・・・っ」

そうと決まった訳ではないけれど、あの男が亡くなったのは一週間程前だとコナンくんは言っていた。

・・・その頃から、零の帰りが悪くなっている。

ただの・・・偶然、だろうか。

「そうね。車を出すわ」

私の異変を感じ取ったのか、ジョディさんは迅速に対応を進めて。

私も一度博士に声を掛けてくるから、と二人から離れると屋台の方へと向かった。

「・・・っと・・・」

来てみたものの、人混みは想像以上で。
先程よりも増えてきたように感じる。

辺りを見渡してみるが、博士や子ども達の姿は無い。
そういえば、神社でおみくじを引きたいと子ども達が話していた気がする。

きっとそっちへ向かったのだと思い、人混みを掻き分けながら足を進めるが、上手く人の流れに乗れなくて。

「すみません・・・っ」

何人かにぶつかっては謝り、足を踏まれてはよろけ、思うように進めない。

確かに、これだけ人混みがあれば、少し外れた場所で隠密な会話をするには打って付けなのだろう。

木を隠すなら森の中・・・ということか。

でもそれは・・・特定の誰かが目をつけられていなければ、だけど。

「・・・っ、きゃ・・・!」

ようやく進みたい方向へと体が向かい始めた時、突然腕を誰かに掴まれて。

人の群れが少ない方へとそれが引かれたと思うと、倒れるように人混みから体を引き抜かれた。



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