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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第87章 飲んで※




「・・・なら僕から望むことは一つだけだ」
「や、ぁあ・・・っ」

言いながら彼の指が、グチュと音を立てて動いて。


「奴らの前では、何もするな」


それだけ?

・・・いや。
そのそれだけが、私にはできないんだ。

「あ・・・っ、だめ・・・ッ・・・」

少し激しく指を動かされれば、足の力が抜けていって。

段々と頭の中が真っ白になって。

「バーボンも、ひなたの体と付き合っている訳では無いことを忘れるなよ」

それじゃ、愛人と言えないのでは。

そんな疑問も生まれたけれど。
口から出てくるのは甘ったるい声だけで。

「や・・・っ、とお、る・・・さん・・・ッ」

・・・零、と呼びたい。

目の前にいるのは彼なのだから。

この名前じゃなくて、彼の本当の名前を。

「・・・っい、ぁあ・・・ン、ん・・・!!」

もう、立っていられなくて。
足の力を抜いてしまった時、咄嗟に彼の腕が体を支えた。

もう足に、自分の力なんて微塵も残っていない。

快楽に溺れるのは、もう目の前だった。

「っは・・・、はぁ・・・っ、・・・?」

それなのに。
目の前でそれは急停止された。

達する寸前、何故か彼は指の動きを止めてしまった。

それが体にも、気持ちにも、そこはかとないダメージを受けて。

何故止めるのかと、後ろを振り向きながら、彼に目で訴えた。

「どうした?」

・・・ああ、悪い顔をしている。

忘れかけていたけれど。

「・・・ッ」

これはお仕置きだった。

「もう一度シャワーだな?」

言いながら指が引き抜かれて。
温かい何かが足を伝う感覚に、背けていた鏡へ視線を向けた。

「っ・・・」

それはさっきまで粘着質な音を立てていたものの正体だった。

これ程溢れてくるものなのかと、羞恥の中驚きも隠せなくて。

「ひゃ・・・っ」

情けない声と共に抱き抱えられた体ごと、すぐ隣のシャワールームへと向かって。

浴槽に目を向けると、自分が入った時には無かったはずのお湯が既に張られていた。



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