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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第87章 飲んで※




「あんな事をしておいて、放っておかれたんだ」

放っておいたつもりはない。
そもそも、中断させたのは零だ。

あの後、すぐにここでしようと思えばできたはず。

「だっ・・・」
「あの時は奴らが見ていた。ひなたのあんな姿は見られたくなかった」

だったら尚更、ここで。
・・・そんな雰囲気でも無かったかもしれないけど。

「それに、虫も紛れ込んでいたしな」
「虫・・・?」

何の事かと首を傾げると、彼は緩んでいた私の手を振りほどいてバスローブの紐を素早く緩めた。

「ひなたは、もう気にしなくて良いことだ」

退治した、ということなんだろうか。
確かに虫は苦手だけれど。

いや、そんな事はとりあえず置いておいて。

紐が解けてしまったバスローブは、簡単に肌を晒してしまう。
少し冷たい空気が肩を撫でたかと思うと、一気に警戒心に近いものが高まった。

「こ・・・っ、ここはダメ・・・」
「じゃあ、ベッドか?」

そうじゃない、そうじゃなくて。

「どうしたの・・・零、変だよ・・・」

余裕が無い、と言うのか。
どこか急いでいるようにも感じてしまう。

「変にさせたのはひなただ」

そう言って首筋に噛み付くように軽く歯を当てられて。

そのまま口内で舌をねっとりと這わされた。

「ひぁ・・・ッ」
「それと」

その一瞬で体の熱は高まり、抵抗力も奪われた中、視線を絡まされながら言葉を続けて。

「呼ぶ名前が違う」

言い終わるなり、呼ぶべき名前も呼ばせないうちに唇は蓋をされて。

いつもの、何も考えられなくなるキスで溺れさせられた。

「ん、っう・・・」

零と呼べないなら、できれば今ここでは嫌だ。
でも、この高ぶってしまった熱はどうするべきか。

・・・私は一度放っているものの、彼はそのままだったのだと思い返せば、やはり少なからず罪悪感が生まれて。



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