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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第11章 秘密の




「ミステリートレインはご存知ですか」
「ミステリー・・・トレイン?」

それはあまり聞き覚えのないもので。

「最新鋭の豪華列車、ベルツリー急行。行先不明のミステリートレインです。そちらへ乗って僕の言う通りに行動してください」
「・・・それは透さんにとって不利になる行動ですか」
「それは分かりません」

だったら受けたくなかった。

「でも、これによって彼が組織の人間かどうかは分かると思いますよ」

その言葉を聞くまでは。

「・・・分かりました」

彼が組織の人間かどうかは正直不安な面があった。
ポルシェを追跡していたあの時、あの場所で偶然出会うとは到底思えなくて。あの辺りを組織の仲間として監視していたのか・・・など頭の中で色々な考えだけは巡っていた。

「あの・・・具体的には何を・・・」

まだ何も聞いていないのに、早くも当日のことを考えると緊張した。それを誤魔化すように1口だけ紅茶に口を付け、沖矢さんに問いかけた。

「当日はコナンくん達も乗車するので、彼らと連携して動くことになります」
「・・・指示は当日あるということですか?」
「そうですね」

なんだろう。
妙な胸騒ぎがする。
これ以上踏み込んではいけない気がする。

「組織の人間も乗車する予定です。決して1人では行動しないように」
「・・・透さんは・・・来ませんよね?」

紅茶の入ったカップを持った沖矢さんの口角が少しだけ上がったようにも見えた。

「さあ、どうでしょう」

どうしてそんなに私のことを試すようなことをするのだろうか。元々気が置けない人だとは思っていたが、益々そう感じた。

「これを渡しておきます」

そう言って取り出したのは列車の刻印がついたリングで。手に取り、回しながらリングの全体を見た。

「ミステリートレインのパスリングです。無くさないでくださいね」

これが・・・と改めて見つめる。仰々しくも見えるそのリングを、そっとカバンにしまい込んだ。

「乗車は来週末です、空けておいてくださいね」
「・・・分かりました」

幸い来週末はすでに休みが決まっていて。

「そして彼には」
「黙っておく・・・ですよね」
「おや、聞き分けが良いですね」

笑われているような笑顔で言われて。その辺りは言われなくても分かる、と心の中で言い返した。



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