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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第82章 消える※




「どうして・・・連れ出したんですか・・・」

数分車を走らせた後に、恐る恐る話を切り出してみた。

零に聞かれては困るからなのか、それとも私を零と切り離す為なのか・・・。

いずれにせよ、良い話ではなさそうだけど。

「単刀直入に言います」

覚悟を決めているような物言いに、横目で沖矢さんを見ながら固唾を飲んで。


「証人保護プログラムを受けてください」


まさかの申し出に、言葉を失った。

・・・いや、おかしい話ではない。

「嫌です・・・って、言ったらどうなりますか」
「残念ながら、拒否権はありません」

それは、そうだ。
今まで目を瞑っていてくれたのが逆に不思議なくらいで。

彼に・・・零に気付かれないように連れてこられたということは。

「もう・・・零に会えないんですね」
「察しが良いですね」

どこで沖矢さんが私の記憶のことを知ったのか知らないが、今この時を狙ったのであれば、そういう事だろう。

私の記憶が曖昧なうちに。
別れる悲しさが最小限な内に。

「・・・その方が良いのかもしれませんね」
「随分と素直じゃありませんか」

強制的に連れてきて命令しておきながら、そんな事を言うのかと僅かに沖矢さんを睨んで。

「以前にいつでも受けられるようにしておいてほしいと、ジョディ捜査官に頼んだそうじゃありませんか」

・・・そう、だったかもしれない。

あの時の言葉が間違っていたとは思わないけど、こういう形で実現してしまうとは。

「君は敵を作りやすい。それは、彼もそういう立場にさせるという意味でもある」

・・・公安である彼に、それは致命的と言える。
そしてFBIである・・・赤井さんにも。

だからさっさと身を引いてほしい、と。

「・・・赤井さんと話がしたいんですが」

沖矢昴では無く、赤井秀一と。

・・・この事も忘れてしまえれば良かった。

「それは帰ってからにしましょう」

そう言われたのを最後に、彼の住む工藤邸に着くまで会話は一切無くなった。




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