• テキストサイズ

【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第10章 恋して




「本当はずっと言うつもりじゃなかったんですが・・・。ひなたさんが可愛くて抑えきれませんでした」

そんなこと言われると本当に心臓が破裂してしまう。恥ずかしさから、安室さんを抱きしめる腕に力が入る。

「・・・そんなことされると本当に抑えられなくなります」

安室さんも強く抱き締め返してきて。見た目よりもしっかりとした体つきに、更にドキドキして。

「ひなたさん」

抱き締められたまま名前を呼ばれる。少しだけ顔を動かして無言の返事を返した。

「・・・名前で呼んでくれませんか」

するりと私の腕から抜けて、離れる体。お互いしっかりと顔が見える距離。
途端に恥ずかしさから目を逸らしてしまって。

「僕の目を見て」

意地悪そうな声。でも、その声も好きで。
全部、安室さんだから。

逸らしてしまった視線を、ゆっくりと安室さんの瞳へと持って行く。彼は真っ直ぐ私だけを見ていて。

「・・・と、・・・る・・・・・・さん」
「聞こえないです」
「・・・っ・・・!」

酷い顔を見られたくなくて、片手の甲で顔を覆うが簡単に取られてしまう。

「さあ、どうぞ」

何だか楽しんでいるようにも見える安室さんに何もかも乱されて。そんな状況に、なるようになれと自暴自棄になっている自分もいて。

「と、とおる・・・さん・・・っ」

勇気も声も振り絞るように彼の名前を呼んだ。
ただ名前を呼ぶだけなのに。妙な恥ずかしさがあって。

「・・・ありがとうございます」

何故か安室さんにお礼を言われる。ただ名前を呼んだだけなのに。

「・・・透、さん」
「なんですか?」
「これからずっと・・・透さんって呼んでも、良いですか・・・?」
「勿論」

優しく向けられるその笑顔にまたドキッとしてしまって。やっぱりこの人笑顔が好きだなあ、と改めて感じた。

暫くの間お互い見つめ合って。この時間を噛み締めるように。
自然と、ゆっくりと落ちてくる透さんの顔に、優しく瞼を閉じた。


/ 1935ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp