第12章 当日
今日は合唱コンクール当日。
この学校は生徒が多いから、体育館ではなく電車で30分先の大きなホールを使う。
緊張するなぁ…。
私はトイレに行きたくてたまらなかった。
いつもはみんなとワイワイ話してるタイプの私だけど、今日はみんなの輪から外れて緊張と戦ってた。
「おい。なに緊張してんだ?」
「へ?」
後ろを振り返ると市川がいた。
「水泳の大会みたいに楽しめばいいじゃん。」
「そっか。楽しめばいいんだ。ありがとう、市川!」
「///」
市川の顔が赤くなった。なんで?
―次は1年B組。課題曲、夢の世界を、自由曲、道です。
ついに本番だ。でも、私は大丈夫。いっぱいれんしゅうしてきたもん。