第23章 背徳の足音が聞こえるか(裏)

「気持ちよく、なかったですか……？」

　不安げに見上げる水分に溜め息が漏れた。それに反応してぴくりと震える水分を押し倒して。

「気持ちよかったよ、危なく出そうだった」

「っじゃあ、なんで」

「……水分に挿れたいから」

　水分のショートパンツを脱がせれば、そこに現れた可愛らしい下着は目で見て分かるほど濡れている。指を這わせればぷっくりと膨れ上がった陰核が触れた。下着越しに刺激を与えれば揺れる腰。

「俺の咥えて興奮したのか」

「だって……、ずっと、シてない、から」

「……へぇ」

　ということは、俺と最後にしてから誰ともしていないということか。それが嬉しい、なんて。

「先生、お願い……もう、」

「慣らさないと辛いだろ」

「だい、じょうぶ、です……それより、我慢できない、」

「っお前なあ……！」

　水分の口から放たれた台詞に滾る熱はもう収まりがきかない。乱雑に避妊具を引っ張り出して包装を破り捨てる。己に被せて、いざ挿入れようとしたところで目に入る水分の下着。脱がす手間すら今は惜しい。クロッチをずらしてそのまま一思いに貫けば嬌声が耳をついた。

「っぁああああ！」

「悪いが、加減できないぞ」

　散々煽られたんだ、加減なんかできるか。細い腰を掴んでガツガツと奥へ打ち付ける。その度に漏れ出る水分の声に更に昂っていく。

「あっ！奥ぅ……っ！だめ！やだ、やだっやだぁっぁぁあっ！」

「ここか…っ！」

　きゅんきゅんと収縮を続けるナカはある一点を突けば喰い千切らんばかりに陰茎を締め付ける。持っていかれそうになるのをどうにか堪えて攻め立てれば水分のナカが痙攣を始めた。

「やだぁっ、やだやだっ！待って！イっちゃ、イっちゃう……！」

「いいよ、イって」

　腕にしがみついて襲い来る快感に悶える水分をもっと深いところまで堕とし込むようにグリグリと奥へ押し入る。

　その快楽に歪む顔も、艶っぽい嬌声も、しなやかな腰も、震える胸も、薄い唇も、全部、全部俺のものにはならないと分かっていても。今は俺の、俺の水分。