第9章 過ぎた熱をなぞる(裏)
情事を終えたあとの気だるい雰囲気を纏った先生がのそりと動いて私の上から避けた。
「シャワー……浴びるか?」
「えっ、あ、はい……」
腰がガクガクで立ち上がれる気もしないしこのまま眠ってしまいたいのが本音だが、汗も流したいし何よりもここで朝を迎えるわけにはいかない。散らばる服を拾い集めてやっとの思いで立ち上がる。やっぱり腰も、それどころか膝までガクガクだ、油断したら崩れ落ちそうな身体に鞭を打つ。
先生に案内されたバスルームでシャワーを浴びる。先生も使っている、ボディーソープ。私からも近い匂いがするだろうか。なんて。火照る身体を少し低めの温度のシャワーで鎮めるように浴びた。
シャワーを浴び終えたら眠い体を引きずってでも家に帰らなければ。またここで朝を迎えてしまったら、どうすればいいのかわからない。前回のように飲んだ形跡もないのにそれを理由には出来ないし、私が先生より先に目が覚める保証もない。とにかく早く帰らなければと頭からシャワーを浴びたい気持ちをグッと堪えて汗を流すに留める。
キュッと音を立ててシャワーを止め、バスルームを後にした。用意してくれたらしい先生の匂いがするタオルに包まれば先ほどを思い出して体の芯がカッと熱くなる。 先生に包まれるような、そんな錯覚に陥って下腹が疼く。汗でもシャワーの雫でもない何かが腿を伝う感覚、あんなにイかされたのにまだ欲しがるなんて、我が身ながらなんて浅ましい。
そう思いはしても、湧き上がる熱を治めたくてそっと胸と秘部に手を這わす。
くっきりと勃ち上がって主張する乳首を摘み上げて、爪を立てて。下に這わせた手は陰核を刺激する。溢れてくる蜜でにゅるにゅると滑る陰核を弄る指が止まらない。
「……っふ、、は、あ、んんっ」
扉一枚で隔たれたその先には先生がいるはずで。見つかってしまったらどうしようという恐怖が興奮を掻き立てる。声を押し殺して快感を貪るこんな姿を見られてしまったら。
そっと指を挿入してみれば、先ほどの行為もあってかナカは簡単に受け入れる。指を増やしてぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てながら出し入れを続ける手。
先生の指とは違って細く短い指では物足りないしイイところを掠ることも難しい。もっと、もっと奥、奥をガンガンって突いて、もっと、強く。