第8章 明けぬ夜を繰り返す(裏)
達した余韻で軽く痙攣するナカからずるりと指が引き抜かれて、呼吸を整えようと荒い呼吸を繰り返す。大きく上下する肩が掴まれたと思えば体を反転させられ背後から先生の低い声が落ちる。
「挿入れるぞ、」
いつの間にか避妊具をつけた先生のものが濡れそぼつ秘部に触れていて。
「せんせ、ま、って、イったばっ、かりっああ!」
肉を割って侵入してくる猛り立った雄に達したばかりで敏感な体は呆気なく快感に震えた。弱く痙攣を続けるナカで遠慮がちに律動する、そのゆるゆるとした刺激ですらも昂った体は酷く反応してしまう。
「っふ、……あ、あっ、ん」
「……っ癒依、」
低く掠れた吐息混じりの声が不意に名前を呼んで下腹がきゅんと疼く。どうしてこうもこの人は私の心を掴んで離さないのだろう。どうしたって、こんな、愛など存在しないはずのこの行為に愛を匂わすんだろうか。
捨てたはずの期待が、膨らむようなそんな。
「っひゃぅ、ん、っは、」
つぅ、と背筋を舐め上げられ高い声が漏れる。そのまま首筋にキスを落とした先生が耳元で囁いた。
「俺のことだけ考えてろっつったろ、癒依」
「、ふっ……ぅ、っ」
先生のことしか考えられないというのに、なんで、そんなこと。雫がシーツに落ちて、先生から顔が見えないこの体勢で良かったと思う。
それでも呼ばれた名前にときめいてナカに入った先生のものを締め付ける、自分の体が少しばかり憎らしく思えた。