第35章 突き刺さった棘は抜けない
先生との一件があってからようやく休日を迎えた。今までは休日なんて先生に会えなくて寂しい、なんて思っていたのに今はホッとしてしまう。先生の本心が読めなくて、もう何もかもが怖い。
気力だけで仕事に行っていた体は重く、ベッドに縫い付けられたように動かなかった。何も、したくない。けれどいつまでもそうしているわけにもいかない。
一人で何もせずにいれば考えるのは先日のことばかりで。先生は何を思って私を抱いたのか。あれは、抱くというよりかは正直なところ、もはや強姦だった。どうして、そんなことを。考えたところで答えの出ない問いを繰り返しているばかりで、貴重な休日が過ぎて行く。
さすがにこのままではまずい。もう自分一人で抱えるにはもうキャパオーバーだった。重い腕を動かしてスマホのボタンを押せば光を放つスマホ画面を操作して、電話帳を開く。スワイプして見つけた名前をタップして電話をかける先は────