第30章 零れ落ちるシャングリラ(裏)
「ん、っあああ……や、だ、っぁあ!」
より一層水っぽさを増した秘部をぐちぐちと音を立てながら攻め立てれば響く声とともに体が大きく跳ねて。その顔は酷く欲に歪んでいて心の中の小さな嗜虐心を刺激した。
「水分、今すごいえろい顔してる」
「っや、、見ないで、くださ……」
隠そうと動く腕は即座に絡め取って自身の首へと回させる。
「だーめ……感じてる顔、もっと見たい」
近づいたその距離に高鳴る鼓動を抑えて耳元でそっと囁けばナカが収縮して俺の指を締め付ける。愛おしそうに俺を見るその双眸に瞳が釘付けになった。
「消太、さん、」
小さく、照れるようにかわいらしく呼ばれた名前に下腹部がずくりと疼いて。いじらしく瞳を逸らしながら呼ばれた名に含まれる意味を分かっていながら、名前を呼ばれる幸福感と行為の最中にだけ呼ぶこの声が陰茎に響いて。もっと、もっと呼んで欲しい。
「ん、どうした?」
何を求めて俺を呼んだのかなんて分かってるくせに。そう語る瞳にさすがにあまりいじめると機嫌を損ねそうだ、そう思って水分の頭上、ベッドボードの上にある避妊具を手にする。そのままつけて繋がるのでももちろんいいが、水分の口から求めて欲しい。包装を破ってすっかり勃ち上がった陰茎に見せつけるように薄い膜を被せながら。
「……欲しい?」
意地が悪いな、我ながらそう思いながらも問えば水分はこくりとひとつ頷いて口を開く。