第2章 主夫②
主夫の朝は早い。
俺は毎朝5時半には起床して、朝飯の準備やの弁当作りを始める。冬の朝なんかは寒さが身に堪えるが、明け方に空が白々と明るくなっていく様をリビングの窓から眺めるのは結構気に入っている。
それに俺はあまり睡眠時間が長くない方なので、帰りの遅いに付き合って夜遅くまで起きていても、早起きは別に辛くはない。これは、昔からの習慣がいつまでも抜けないせいだ。
昔の俺は、それこそいつ死んだっておかしくないような生活をしていたから、四六時中気を張っていた。ゆっくりと身体を休められる時なんてなかった。
だが今は違う。と結婚して、信じられないほど穏やかな生活を送れるようになり、命を落とす心配なんてしなくても良くなった。
短時間だが熟睡だってできるようになった。俺にこんな生活を送れる時がやってくるなんて、本当に今でも信じられない。
まぁ、ある意味今も気は抜けねぇがな。
いかにに快適に過ごしてもらうか、美味いメシを食わせてやれるかを常に考えているから、気の休まる時がねぇ。…これは、「余念がない」と言った方がしっくりくるか?