第1章 主夫①
「リヴァイさんの料理は本当に美味しいですね。リヴァイさんがいてくれるから、私、毎日仕事が出来ているんだと思います。ありがとうございます、リヴァイさん」
モグモグと口いっぱいに頬張りながら言うに、俺は嬉しさと照れ臭さの間で右往左往する。
こいつは本当にまっすぐに礼を言う。そこに照れは一切ない。言われた俺の方が恥ずかしくなってしまうようなセリフを、美しい笑顔を浮かべながら平気で言う。
全く困っちまう。……だが、悪くねぇ。
夕食の後、は書斎で少し仕事を片付けてから風呂に入って、床に着く。
2つくっつけて並べたシングルベッド。
キングサイズにしなかったのは、シーツやら掛け布団やら、対応するサイズを探すのが面倒だったからだ。
それに、そんなにデケぇと洗濯も大変そうだ。
隣のベッドに寝転んだが、もぞもぞと俺の布団の中を探って、探し当てた俺の手をぎゅうと握る。
「リヴァイさん、今日も一日ありがとう。おやすみなさい…」
仕事の疲れのせいだろう。すぐにウトウトし始めたは、そのままスウッと眠りに落ちていった。
の肩からずり落ちた掛け布団を整えてやって、そのついでにサラリと滑らかな頬を撫でる。
「あぁ、おやすみ。明日も良い一日を」
そう言って俺も、ゆっくりと目を閉じたのだった。