第2章 : 1st
足を進めた先に見えてきたのは蛍達が集まった祠だった
リン...リン...
少女が祠の近くに行くと鈴を鳴らしながら美しい女性が姿を現した
「そなた、名はなんと申す」
女性は少女の背丈に合わせ屈みながら問う
『蒼...蒼葉、です』
「そうか、蒼葉そなたは何故泣いておった」
『蒼ひとりぼっち、ばば様いないの...お家に帰りたい...』
また泣き出してしまいそうな少女に女性は
「泣くでない、そなたは一人ではない
そなたが本当に一人になった時、妾が傍に居ろう
妾はそなたが気に入った
そなたはこの先沢山の苦難に迷わされるだろう
《迷い》それはこの妾の力であり、また妾の存在である
次に逢う時は妾の名を呼べ、妾は..._ ____」
女性が名を言おうとした時にはもう少女の意識は飛んでいた。