第3章 : 2st
『...そう言えば貴女の名前まだ知らないわ』
少女は一度聞き損ねた女性の名前を気にしていた
「そなたはもう知っておるはずじゃ
時が満ちればそなたにも分かるときが来るであろう
分からないのならば、まだその時では無いということだ
焦るでない、そなたは今焦っておる」
女性は少女の中を覗き見るかのように少女の目を見る
『私が...焦っている?
...いったい何に??』
「恐怖だ...
そなたはあの時の化け物...虚(ほろう)に恐怖を感じておる
自分でも分かっておろう、そなたの霊圧が高いことに
なぜそなたはいつもあの柏木から外へは出なかった??
なぜそなたのそばにはいつもばば様がいた?」
『...それは、ばば様とのお約束だったから…!』
「そう、つまりそなたはあの老婆に護られておったのじゃ
不思議に思うたことはないか、そなたに両親がいないことを」