第14章 保健委員会
善「竹谷!どうしたんだい?」
包帯巻きを行なっていた保健委員会の面々がパッと顔を上げる。
竹「伊作先輩、すみません。手当をお願いしたいんですけど…」
乱太郎が八左ヱ門の背中の人物に気づく。
乱「…ゆうきさん!?どうしたのですか?!」
ゆうきは八左ヱ門にゆっくり降ろしてもらい、口を開いた。
「綾部君の穴に落ちちゃって、足を痛めたみたいなの。」
鶴「僕達もよく落ちちゃうよね〜。スリルとサスペンスー。」
善「大変だ。すぐ診よう!」
数馬がゆうきを支えながら伊作のもとまで連れて行く。
「えっと、三反田君…ありがとう。」
数「!!…いいえ。」
数馬はゆうきが自分の名前を知っていたことに驚いたが、少しだけ嬉しく感じた。
数(三年生で1番影が薄いって言われているのに…!)
善「よし、じゃあ座って。」
竹「先輩、ゆうきちゃん2時間くらい穴の中にいたみたいです。」
「そうなの、もう諦めかけてた時に八君が通りかかって。今日は委員会活動をお手伝いする予定だったのに、皆さんごめんなさい…。」
善「そんなことはいいよ!2時間も穴の中にいたんだ。この時間帯なら身体が冷えたに違いない。左近、食堂のおばちゃんに言って温かいものを持ってきてくれないか?」
「そんな!自分で食堂くらい行けるから大丈夫だよ!」
善「ダメだよ。手も足もこんなに冷たいじゃないか。」
左「…では行ってきます。」
左近は伊作の指示に従って出て行ってしまった。
(伊作君って心配性…というか医務室だと強引だなぁ(笑))
ゆうきは保健委員会委員長の伊作の仕事ぶりに感心しながら心の中で笑った。