第9章 初めての朝
食「…もしかして、忍び装束の着方が分からないのか?」
「!!!」
食「そうらしいな。入れよ。」
留三郎が部屋に入るよう促すと、ゆうきは申し訳なさそうに足を踏み入れた。
「えっと…教えていただけるんですか?」
食「伊作に聞きたかったんだろ?あいにく不在だからな。俺が教えてやるよ。」
「あ、ありがとうございます!」
留三郎の親切さに嬉しくなったゆうきはニコッと微笑んだ。
食「………。
それで何で浴衣着てるんだ?」
「あ、実は…」
パサッ
ゆうきが上から羽織っていた浴衣を脱いだ。
食「なっ…!」
留三郎はゆうきの格好に目眩がした。どういう着方をしているのか、袴の股立(ももだち)から肌が露出している。上着もきっちり着れていないようで、胸元が緩く開いている。しかもその下には何も着ていないようだ。
食(なんちゅー着方をしてるんだ、こいつは!!!///)
留三郎は自身を落ち着かせるために、大きなため息をついた。
食「はぁ…どうやったらこうなるんだ。」
「なんか色々余っちゃって…」
食「それ!その網シャツ!先生方はそれを下に着ているだろう!?」
「え、これ?これシャツだったんですね…」
食「一旦上着脱いで網シャツを着ろ。」
「分かりました。
…あの、後ろ向いててもらえますか?」
食「アホか、忍者のたまごが敵かもしれんやつに背中を見せるわけなかろう!」
「そ、そんなあ!で、でもそんな目力で見られたら恥ずかしいです。」