第8章 長い1日
善「…ちゃん、ゆうきちゃん。」
伊作に肩を揺り起こされ、ゆうきは目を覚ました。
「んー…、あれ、私寝ちゃってたんだ。」
善「緊張の糸が切れたんだろうね。これ、食堂のおばちゃんにもらってきたんだ。」
「おにぎり!!ありがとう!」
ぐ〜〜
「…////////」
お腹の音が大きく鳴り、ゆうきは思わず赤面する。
「そういえば、半日以上何も食べてなかった(笑)」
善「ゆっくり食べて。そうそう、これ先生達と同じ忍び装束と、寝巻きの浴衣ね。」
「わぁ!!忍び装束!?これ、私が着るの!?」
善「そうだよ、なんか嬉しそうだね。」
「う、うん、ちょっとね。」
(歴史好きの血が騒いだのは黙っておこう…)
善「あ、あとこれ。ゆうきちゃんが着てた服もう乾いてたから。医務室に置いていた服も一緒に持ってきたよ。」
「あ…ゴメンね…。ありがとうございます…。」
ゆうきは綺麗に畳まれた自分の衣服を受け取った。1番上にはこれまたきちんと畳まれたパンティが載っている。恥ずかしいのと申し訳ないのとで、ゆうきは隠すように受け取り、苦笑いをした。
善「だから気にしなくて大丈夫だってば。ね?」
気まずそうにしているゆうきに伊作は微笑みかける。
善(明らかに元気なくして…わかりやすいな、この人。)
「気にするなと言われても…。伊作君には頭が上がらないよ(笑)」