第4章 医務室
顔を隠して涙を流すゆうきを見て、伊作は困ったように顔を掻いた。
善「大丈夫ですよ、本当に。6年間保健委員を務めてるのでまぁこういうことにも慣れてますから。それに僕以外は誰も見てませんよ。」
本当は身体を拭いている時できるだけ見ないように気を遣いながらも、内心かなりドキドキだったことは絶対秘密にしなければと、伊作は肝に銘じた。
善「さて、もう少し休んでてと言いたいところですが、貴女が目を覚ましたら学園長先生のところにお連れするよう言われてまして。今から一緒に行っていただきます。男物ですがこれを羽織ってください。」
流石に寝着では学園長にお会いさせるわけにはいかないと判断した伊作は、ゆうきに上から羽織る着物を渡した。
学園長ってさっきのおじいさんだよね…誠心誠意謝らないと…急に緊張してきたぁ…。
医務室を出る前に、伊作が煎じたすごい匂いの薬を勧められたが、ゆうきは気が動転して眩暈がしただけで、どこも悪くないからと断った。