第21章 女の嫉妬
ゆうきが忍術学園に来て、あっという間に2週間が経った。
「は〜、今日も疲れたぁ…」
久「やぁ、ゆうきちゃん。」
「あ、兵助くんに勘ちゃん!!」
尾「やっほ〜、今からお風呂??」
仕事を終えて、風呂に向かおうとしていたゆうきは、廊下で風呂上がりの兵助と勘右衛門とすれ違った。
「そうだよ〜、2人は長屋に戻るとこ?」
ゆうきは、三郎以外の五年生とはすっかり打ち解けていた。
尾「うん。今日の木下先生の授業でくたくただからもう寝たい…」
久「勘ちゃん、ダメだよ。明日教科の小テストだろ?」
尾「テストなんてどうでもいいよ〜」
久「仮にも優秀ない組の学級委員長だろ!ほら、行くよ!」
勘右衛門は兵助に背中を押されるようにして、歩き出した。
「ははは…、2人ともほどほどにね〜」
尾「うわーん、ゆうきちゃん助けて〜; ;」
久「じゃあゆうきちゃん、おやすみなさい」
そんな2人を見送るゆうきに、遠くから冷ややかな視線を向けている者達がいた。
「さて、私もお風呂に入って早く寝よう…」
ゆうきが歩みを進めると…
「あ、ゆうきさ〜ん!!」
「あら?貴女達は…」
「くノ一教室のくノたまでーす!」
浴衣を着た、くノたま3人が話しかけてきた。
「今日は、男湯と女湯が入れ替わってるんで気をつけてください!」
「え、そうなの!?」
「月に1回、掃除のために入れ替わるんですよ〜」
「今日がその日なので、ご注意ください^^」
「そうなんだ!知らなかった〜。ご親切にありがとう!」
そう言ってゆうきはくノたま達に別れを告げて、女湯の暖簾がかかった方へ入って行った。
その様子を見てほくそ笑むくノたま達。
「先輩達に取り入って、本当うざいのよ!あの女!」
「ちょっと恥をかけばいいわ!」
「ま、このくらいかわいい嫌がらせでしょ。」
その後すぐ、女湯と男湯の暖簾をいつも通りに戻し、3人は去って行った。
(本来、くノ一教室内に女湯があるかと思いますが、演出の都合上、忍たま長屋の男湯と隣合っていることにしています。)