第20章 会計委員会
「そ、そんな!そりゃ気にしてないとは言えないけど…、田村君が謝る必要ないよ。」
ゆうきが慌てて頭を上げさせた。
田「ですが…、あいつはその…申し訳ないのですが、全然反省してなくて…。」
「あはは、作法委員会で会ったから知ってる笑 でもそれは怪しまれてる私が悪いからいいの!それより四年生はみんな私を嫌ってるって聞いてたから、田村君がこうやって話をしてくれて嬉しいよ。」
田「私もまだ完全には信用できていません。ですが、今日のあなたの仕事ぶりや私たちとの接し方を見て、少し信じてみたいと思いました。」
「それでもすごく嬉しいよ。ありがとう、三木ヱ門君!」
ゆうきににっこり笑われて、また急に名前を呼ばれ三木ヱ門は少し顔を赤らめた。
田「ゆうきさん、後輩を送ってもらった後にすみません。もう一つお願いがありまして…。」
「ん?なに?」
田「潮江先輩、私たちに後輩を送らせて自分は片付けをするとおっしゃっていましたが、きっと仕事の続きをされていると思います。後輩の私に言われるのは嫌だと思うので、ゆうきさんから先輩も寝るように伝えていただけませんか?」
「確かに潮江君なら1人続けてそう…。分かった!私に任せて!三木ヱ門君は先輩思いなんだね。」
にやりとゆうきが笑った。
田「いえ…。」
少し気恥ずかしそうにしている三木ヱ門に、ゆっくり休むように伝えゆうきは会計室に戻った。
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静かに会計室の戸が開いた。
潮「!!」
「失礼しま〜す…。」
ひょっこりと顔を覗かせたのはゆうきであった。
「あ!やっぱり潮江君仕事してる〜!」
ゆうきはそう言いながら部屋に入ると、文次郎の前に座った。
潮「…何だ。」
「何だじゃないよ!今日はもう委員会は終わりのはずでしょ?委員長の貴方が仕事していたら、後輩が申し訳なく思うじゃない。」
文次郎は小さくため息をつく。
潮「三木ヱ門の差し金か。」
「差し金って…田村君心配してたよ?委員長が身体を壊したらどうするの。」
潮「俺は身体は壊さん。」
今度はゆうきがため息をついた。
「潮江君って頭かたいのね。」
潮「何だと?お前こそ早く寝たらどうだ。朝から仕事だろう。」