第18章 作法委員会
生物委員会の手伝いをした翌日、ゆうきはとある部屋を訪れた。
「こんにちは〜。あ、浦風君。」
三年の浦風藤内がぺこっと会釈した。
「宿題中?」
藤「いえ、明日の授業の予習です。」
「予習!?偉いねぇ!!」
自分に向かってにっこり微笑むゆうきに藤内は少しだけ顔を赤らめ、予習が好きなだけですと呟くように言った。また、学園に少しだけ慣れてきたゆうきは、忍たま達に敬語を使うことをやめていた。
藤「ところでどうして作法室へ…?」
「あ、今日は作法委員会を手伝うことになっているの!」
藤「そうですか、よろしくお願いします。もうそろそろ皆来る頃だと思います。」
そう言っているところへ、元気な足音が聞こえてきた。
タタタタタタ…、スパーン!!!
兵「ゆうきさーん!!!」
戸が勢いよく開き、一年は組の兵太夫が飛び込んできた。
「わわっ、兵太夫君廊下を走ったら危ないよ。」
ゆうきは自分に抱きついてきた兵太夫の頭を撫でながら、優しく諭す。
兵「ごめんなさーい。でも今日ゆうきさんが委員会に来るって聞いて嬉しくって。」
にっこり笑う兵太夫に思わずゆうきも微笑む。
藤「なんだ、兵太夫はゆうきさんが今日いらっしゃると知っていたのか。」
兵「お昼休みにたまたまゆうきさんにお会いした時に教えてもらったんです。」
兵太夫は藤内に向かってVサインをしながら答えた。
「作法委員会の一年生は他にもいるの?」
藤「ええ、兵太夫ともう1人…」
黒「あれ、戸が開けっ放しじゃないか。って何してるんだ、兵太夫!」
兵「あ、ゆうきさん、もう1人の一年はこいつでーす。」
黒「おい、こいつとは何だ!」
「伝七君ね!今日は作法委員会を手伝うことになってるの。よろしくね!」
黒「…はい、よろしくお願いします///」
兵「あー、伝七赤くなってる〜(笑)」
黒「うるさい!!」
作法委員会の一年生は、は組の笹山兵太夫とい組の黒門伝七の2人だ。伝七はゆうきに名前を呼ばれたのが嬉しく、顔に出てしまった。