第4章 あれから。
「…あれ、あい…?」
顔を上げるとそこには…
貴「モトキ…!」
なんてタイミングが良いんだ。そこにはモトキの姿が見えた。
モトキにすぐに近寄る。
後ろの足音は、走るのを止め、どんどん遠ざかっていった…。
モ「…あい?どうしたの、なんか顔色が…」
貴「ごめん、助かったよ。」
モ「助かった?何があったの?」
今起きた事を全部モトキに話した。
話しながら、マンションへと向かう。
モ「そっか。確かに、後ろに男の人がいたような…」
貴「黒い服装で、いかにも怪しい感じだった?」
モ「俺もちゃんと見た訳じゃないからね、でも真っ黒だったよ」
貴「ファンなら良いんだけど…。」
モ「いや、ファンだったら俺が来ても話しかけるでしょ。となると…」
やはり。そうなるのか。
まぁこんな夜中に一人歩く女なんて、尻軽に思われても仕方がないのかもしれないが。
貴「とにかく、ありがとう、モトキ。」
モ「いや、うん、いいんだ。あいが無事で良かった。」