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幸運と悪魔を宿すグリモワールを持つ少年たちの妹ちゃん

第2章 グリモワール授与式と、私の道


「お姉ちゃん!結婚するってどういうこと!?!?」

その後、私は早速子供たちに問い詰められていた。私は苦笑いをし、泣き始める彼らをなだめつづける。

「もう会えないの?」

「そんなことないよ。ちゃんと会いに来るから」

ダメって言われても、みんなの誕生日には必ず抜け出してでも行くからと言い、彼らを抱きしめた。

「……ユノ兄はこのこと知ってんのかよ。アスタの奴は?」

ジロっと涙目の顔でこちらを見るナッシュに、私は黙って首を振った。あの様子じゃ今日の帰りは二人共遅いだろう。迎えの馬車はもうすぐ来るから、あの二人には何も言わず出ていかなければならない。

「…いいのかよ! ずっと一緒だった2人に何も言わなくて!!だって…あんたら……!」

本当の兄妹みたいだったじゃんか……最後まで聞かなくても、ナッシュが言いたいことが分かり、私は笑って頷いた。

「…だからだよ。本当は言おうって思ってたんだけど…でも…ちょっと言えなかったや」

私の言葉に顔が崩れるナッシュ。ボロボロと泣き出す彼に私は優しく抱きしめた。……ナッシュは聡い子だから気づいたかな。

「相手の人ね、お金持ちなんだって。寄付金もいっぱいくれるってさ。ね…いっぱい美味しいもの食べられるよ。教会だって綺麗になるし…洋服も新しいの着れるよ」

ナッシュが泣き出したので、さらに火がつく子供たち。もう鼻水やら涙やらで顔がぐちゃぐちゃ。私は笑って彼らの背を撫でた。
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